丸ノコの副スイッチが安全装置だと思ったら危険だった話
大工三種の神器の一つ、丸ノコ。形状は昔から変わっていない。個人的に丸ノコは、その動作の割に安全な部類の道具だと思っている。
使い方は至って簡単。トリガーのような「スイッチ」を引けばノコ歯が回転を始める。極めて当然の挙動である。素人さんでも動作させる事が出来る。
丸ノコは安全な工具
下記画像で「スイッチストッパ」なるスイッチは、回転状態をキープできる副スイッチで、トリガー(主スイッチ)を引きながら押すと言う特殊な使い方で、通常は使用しない。これは主に材料を繊維方向に挽き割るための「縦挽き」時に使うことが多い。
イレギュラーだし危険な使用方なので素人さんが使うことは稀だと思われる。
ちなみに下記画像にもあるように
「本製品は、スイッチが入っている状態で、電源プラグをコンセントに差し込んでも起動しない構造となっています」
と、近年のディスクグラインダー等と同様な危機回避が出来る賢い仕様になっているのは現代を感じる。
人によっては結構あるのだよ、「電源入れたままコンセント抜く」というシチュエーションが・・・
あと、現場では「作業中にブレーカー上がっちゃって」という場面でも危険が。
安全装置??が付いた
近年の充電池とモーターの性能向上により、コードレス丸のこも一般的になってきた。軽作業ならこれで十分と言えるのだが、下記画像で「スイッチロック」なるスイッチは、安全装置?で、これを押さないとスイッチトリガーが引けず、ノコ歯は回転しない。
残念ながら何も知らないうぶな素人さんでは動かすことは出来ない(はず)。
つまり我々は毎回使用する。
どうやらハイコーキ(旧・日立工機)、マキタとも、この安全装置?が付くようになってしまった。これが非常に使いにくい。
ヽ(`Д´)ノ
そもそも「安全」なのか?
そして、一番の問題は、
同じような場所に付いているスイッチの挙動が、通常の丸ノコとコードレス丸ノコでは全く違う
と言うこと。
両方所有していると、通常のコード付き(AC電源)丸ノコ使用時につい、「スイッチストッパ」に触れてしまい、ノコ歯が回転しっぱなしになってしまうのである。これは危険極まりない。
安全のためのスイッチが、一方で形状が近い違う機種では危険なスイッチになっているのである。
我々は、場面によってはどうしても逆手(さかて:この場合は手の左右で無く、本体の向きを逆)で使いたい場合があるが、やりにくいこと山の如し。メーカーは推奨しないと思うが、大工作業の実際には良くあるシチュエーションなのだ。
ちなみに、当方で所有するコードレス植木バリカン(マキタ製)にも「スイッチロック」が付いているが、本当に使いにくい。使ったことの無い者が造った製品なのだろうと思ってしまう。
そもそも、コードレス丸ノコに「スイッチロック」を付けたのが間違いだと思う。
スイッチを押すためにスイッチを押す、という、禅問答のような仕様(笑)なのである。
前段にも書いた、「電源入れたままコンセント抜く」(そして再度コンセント差して暴走)を機器側で制御できるのは十分に安全で良いことだと思うが、
「これから仕事するぞ!このスイッチを押せば刃物が動くんやな!さぁスイッチオン!(アレ動かない?)」を機器のほうが制御するのはダメではなかろうか。
思えば100円ライターも子どものイタズラ防止のために使いにくくなった。(タバコ吸わないけど)
弱者に合わせて「安全」を謳っ結果、仕事道具が使いにくくなるのはもうウンザリだ。