建物の価値を上げる”バリューアップリフォーム”

古民家リフォーム 工事前
築100年 古民家リフォーム 工事前の様子

11年前に別の部分をリフォームをさせて頂いた建物。世代が交代しましたが、有り難いことに、また工事をさせて頂くこととなり、酷暑のお盆明けから工事に取りかかりました。
諏訪大社の御紋である梶の葉が青々していて、建物全景が映りません(笑)

この建物、2階はごく普通な二間続きの和室ですが1階の天井高さが極端に低い建物でした。
壁のほとんどは土壁で、2階部分は昔、わざわざお客様を泊めるために造ったと思われる趣きのある構造でした。
当初は建て直しも検討しましたが、最終的にはリフォームの結論となりました。

リフォーム工事前
築100年 古民家リフォーム 工事前の様子

特に1階の床は地盤面とほぼ同じで床下に小動物が入り込んで大変だったようです。
撮影場所を変えてもやっぱり建物全景が映りません(笑)
以前のリフォーム時に緑の外壁材を取り付けましたが、その下は古いままです。

古民家リフォーム 解体開始

リフォーム 室内解体中
築100年 古民家リフォーム 解体中

いつものように、繊細かつ大胆に解体を進めます。土台の樹種は栗でした。
この時代の建物の土台は、たいてい栗で、まず、腐っていることがありません。
現代ではなかなか真似が出来ない所でもあります。
土壁で床下には石積みの室(ムロ)がありました。この部屋に後述のアップライトピアノが設置されていました。

古民家リフォーム 室内解体中
築100年 古民家リフォーム 解体中

解体と平行して新しい土台や柱を入れていきます。一度にすべて解体してしまうと倒壊の危険があります。このためリフォーム時の解体は解体業者に頼むわけには行きません。解体しながら考えながら作業を進めていきます。

アップライトピアノは、普通なら一旦別の所へ出したい所ですが、費用も掛りますので、お施主様の了解を得て、仮設の足場を利用し、適宜移動させながら工事を行いました。

解体しながら補強工事

古民家リフォーム 骨組み補強中
築100年 古民家リフォーム 解体しながら補強

今回の工事では1階の天井高を上げるのが主な目的の1つなので2階床を現状より1m近く上げることにしましたので新しい梁を渡します。
足場板の載っている古い部分はこの後すべて撤去します。

一度に解体すると倒壊の危険があるので、解体作業と平行して土台や柱を交換していきます。
2階部分を支える梁も、ほぼすべて新しくなりました。

古民家リフォーム 骨組み補強中
築100年 古民家リフォーム 解体しながら補強

新しい土台と柱も徐々に入れ替えていきます。もともと柱の数が少なかったので入れ替えと言うより追加の方がずっと多いです。土台柱等の骨組み部材はヒノキです。
古い部材も使えそうなものは使っていますが、今回は工事後に見える部分には使用しませんでした。

古民家リフォーム 基礎製作中
築100年 古民家リフォーム 新しく基礎を造る

土台が出来た後は基礎を造る為に鉄筋を並べます。この後コンクリートを流し込んで・・・

古民家リフォーム 基礎完成
築100年 古民家リフォーム 基礎完成

鉄筋コンクリート基礎の完成です。黒い材は既存の梁です。ここに見えている新しい柱や筋交(すじかい)すべてヒノキ材としました。

古民家リフォーム 新しい床製作中
築100年 古民家リフォーム 補強と床下地

基礎と骨組みが出来れば後は新築とあまり変りません。少なくとも見た目は・・・ですが。

築100年 古民家リフォーム 補強と床断熱材

1階床の断熱材は、現時点で最高ランクのものを使用しています。

古民家リフォーム 現場をさまようアップライトピアノ
現場内をさまようアップライトピアノ・・・
古民家リフォーム 1階完成
築100年 古民家リフォーム 完成 1階東

1階洋室完成。床は長野県産材フローリング(あづみの松)を使用しました。
アップライトピアノは工事前からあったもので工事期間中ずっと工事範囲内の部屋のどこかに居ました。

ピアノの隣にある本棚は、以前よりお施主様が持っていたもので、固定出来るようあらかじめ壁に下地を入れています。

本棚はお客様に用意して頂きました

こちらの本棚はお客様に用意して頂いたもので、同サイズの物を3台並べました。制作家具よりずっと安く仕上がっています。
これも固定出来るようあらかじめ壁に下地を入れています。

古民家リフォーム 2階補強中
築100年 古民家リフォーム 2階補強中 西側を見たところ

2階部分です。1階の天井を上げた分2階は低くなるので約100年もの間「屋根裏」だった部分を活用します。補強の様子や、新旧の柱が混在しているのが分かる写真です。

築100年 古民家リフォーム 2階断熱強化中 東側を見たところ

壁・天井には全て断熱材を入れます。

築100年 古民家リフォーム 完成!

2階完成
計画当初の予想より高い天井を確保でき快適な空間になりました。
無垢材を使った1階と違い、2階の床フローリングは安価な合板製でコストを抑えています。

古民家リフォーム 2階完成
築100年 古民家リフォーム 2階完成 東

2階西の部屋には既存の棚を設置。中央に見える柱は和室に使われていたものを、「見える柱」として移設し建てました。棚は昔からこのお宅で使われていた物を固定して設置してあります。
天井の形は決定するまでに苦労しましたが、うまく収まったと思います。

築100年 古民家リフォーム 2階完成 西
古民家リフォーム 完成外観 ウッドデッキ
築100年 古民家リフォーム 外観完成  ウッドデッキ

完成外観。お施主様より支給のオーニング(ひさし)の取り付いている木の部分は当初の計画では撤去する予定だった既存のフレーム。
そのままだと梁位置が低すぎるので、上部へ移動しました。
今回のリフォームに合わせて長持ちする樹種ウッドデッキも製作しました。

古民家リフォーム 完成外観 西側
築100年 古民家リフォーム 外観完成

今回のリフォーム工事では屋根部分には手を加えていません。
植物の葉が無い時期の完成となりました。(工事後、梶の木は伐採しました)

工事完了後長野県の「環境配慮型住宅助成金」と下諏訪町の「減災設備工事・リフォーム工事補助」の補助金がお施主様の銀行口座へ入金されました。
当初の予想より時間は掛かってしまいましたが、造り手としても満足のいく、印象深い工事のひとつになりました。

築100年 古民家リフォーム 工事の様子

工事の進捗状況は以下からどうぞ

築100年 の古民家リフォームビフォーアフター01

築100年 の古民家リフォームビフォーアフター02

築100年 の古民家リフォームビフォーアフター03

工期が長いとお客様がたくさん来ます

補助金情報

住宅の耐震化をお考えの方へ/長野県
https://www.pref.nagano.lg.jp/kenchiku/20170724.html

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長野県 下諏訪町 蒼々舎(そうそうしゃ)